2009年4月17日金曜日

カァーカァー

カァーカァー
その聞き慣れない声にぽくこはあたりをキョロキョロ。
はじめはぽくこが何に興味を示しているのかわからなかった。
私にとってカラスの鳴き声など日常ありふれた音で全く意識しなかったからだ。
なんどかカラスが実家の近くを通りすぎ、そのたびにぽくこが窓の外を眺めてキョロキョロするのでようやくカラスの声を気にしていることに気づいた。
あぁ、そうか。マンションにいるとカラスの声が聞こえてくることはあまりない。
窓を開け放つ季節には聞こえるのかもしれないが、ぽくこが生まれてからこれまでにその季節は一度だけ訪れたがその頃のぽくこはそんなことにはまだまだ興味を示す月齢ではなかった。
あれはカラスさんだよ。カーカーと鳴いてお家に帰るんだよ。と、教えた。
それから何度かカラスが通りすぎ、カーカーと声がした。
そのたびにぽくこは動きを止め、息をひそめてその声に集中していた。
ぽくこにとって最初に身近に感じた動物がカラスになった。

2009年4月12日日曜日

ばいばい

もうずいぶん前からバイバイをするようにはなっていたけれど
最近は拍手をしたりダンスをしたりして気持ちの表現をするようになってきた。
ダンナさんを駅まで送る間、ぽくこはせわしなく腕を振り続けていた。
道の向こう側のマンションのベランダに居る人、大きな音を立てて走り去っていく車、マンションにとまっているハト・・・
そんな物を対象にバイバイするのだがら忙しくて仕方がない。
「あした筋肉痛になるよ」と心配したくらいだ。
そしてパパとまたしばしのお別れ。
地下鉄の階段を下りていくパパに手を振ったけれど、すぐに他の何かに気を取られてパパの方をなかなか向かない。
しばらく待ったけれどもぽくこはやはり階段の下を見ないので、ダンナさんは私に手を振って駅へと消えていった。
ぽくこははっと我に返り、階段を見たけれどもそこにはもうパパの姿はなかった。
それでも階段の下にむかってぽくこはしばらく手を振っていた。
「さて、お家に帰ってお風呂にはいろうか」
そう言って夕暮れの道をぽくこと二人で帰った。
再びぽくこと二人だけになって寂しさがこみ上げてきたけれど、あと1時間もしないうちにこの子を風呂に入れ、ミルクを与え、寝かしつけなければならない。その後もやらなきゃいけないことが満載、寂しいなんて言っていられない。
そういう現実が気持ちを強くしてくれる。

2009年4月11日土曜日

パパ

ダンナさんが転勤先から一時帰宅した。
ぽくことは2週間ぶりのご対面となるのだが内心パパの存在を忘れてしまっていて大泣きしたらどうしよう。と心配していたのだけれど
果たしてぽくこは満面の笑みを浮かべてパパを迎え、心配は全く不要だった。
さてさて二人に濃密な時間を過ごして貰おう・・・という配慮ではなかったのだけれど
引っ越して毎回最初に困る「美容室」。
今回は引っ越す前に行っておきたいと思って、ダンナさんにぽくこをお願いして出かけたのだ。
玄関が閉まるとぽくこの泣き声が聞こえ、ぐっと来たのだけれど、、、
その後はすぐに気持ちを持ち直し、パパとニコニコ楽しく遊び、疲れてすやすや眠ったのだそうだ。
なぁんだ。ママがいなくなったらもっと泣いて探してくれるのかと思ったけれど案外子供はたくましいものらしい。

美容室から帰るとなにやら良い匂い・・・
食事が用意されていました。
疲れて帰ってきているのに食事を作ってくれるなんて。なんとも頭が下がります。
いつもどうもありがとう。

2009年4月7日火曜日

ポリオ

引っ越し先の自治体のHPで確認するとポリオの集団接種は取りやめ、個人接種になったとあった。
期限があるポリオの接種。引っ越してあわただしい中、知らない土地で小児科を探して行くのは大変だから今のうちに受けておこうと思い立ち、早々に接種することにしたのだ。
子供が多いこの町。長い行列の最後尾に並び順番待ち。
他の赤ちゃんに興奮してぽくこはキャーキャー奇声をあげて大はしゃぎ。
さすがに大暴れする9kgのぽくこを長い時間抱っこするのはかなりしんどい。
しかし小さい頃の入院や治験、便秘と元気なわりに病院に通い慣れているぽくこは聴診器ものどの診察も慣れっこ。
泣いたり騒いだりは全くなく、先生や看護婦さんにニコニコと笑顔を振りまいていた。
接種後も変化なく無事に帰宅。
これでだいたいの予防接種は終了。一年先まで何もない。
健康優良児のぽくこはタダの一度も体調不良で予防接種が延期になることがなかった。
なんとも有り難い親孝行な娘だ。

2009年4月5日日曜日

従兄弟

転勤が決まったと知らせたら、従兄弟が遊びに来てくれた。
今後会うことがぐっと少なくなるであろうぽくこに会いに来てくれたのだ。
そのいとこは私と3つ違いで、とても性格の優しいいい人なのに未だ独身だ。

午後、従兄弟はやってきた。
ぽくこは見慣れないその顔をみて・・・ニッコリと微笑んだ。
従兄弟が両手を広げると、、なんとすぐにその腕に飛び込んでいったのだ。
へぇぇぇ・・。。そんなこともあるのかぁ!と本当にびっくりした。

従兄弟は独身でありながら実に子供の心をとらえるのが上手でぽくこは一日中ご機嫌で昼寝もせずに遊んだ。
母が子守をしていてもすぐに「ママー!」と探しにくるのにただのいちどもママを求めて泣かなかったのだ。
これにはほんとうに脱帽した。
ぽくこはお風呂に入った後、よく遊んでつかれたのだろう、すぐにぐっすり眠った。
夕食の準備をする私に従兄弟は「髪を先に乾かしたら?寒くなるよ」と気遣いもしてくれた。

世の中の女性は見る目がない。
こんなに優しくて気が利いて、子供の面倒をみるのが上手なこの従兄弟が独身なんて・・・あぁ勿体ない!